「矢車ぶし」(夜叉ぶしとも言う)って余り知られていない樹ですね。でも草木染では、とても重宝する樹なのです。
写真をご覧ください。 どこかで見たことはありませんか。そうです、クリスマスリースなどで、松ぼっくりを小さくしたような濃い茶色の実の成る、あの樹です。
生徒さんが2日間に渡り、集めて来て下さいました。

矢車ぶし(やしゃぶし)の実

実だけを染めに使うこともありますが、今回は、青々と茂った葉と枝も一緒に使って、煮出してみました。
去年の茶色の実と今年のまだ青い実が、葉とバランスよく付いていて余りに綺麗なので、数枝思わず壷に放り込んでみました。

矢車ぶし(やしゃぶし)の実と枝

実と共に刻んだ枝葉を煮出していると、甘~い香りが立ち上がってきます。
植物を煮出していると、いつものことですが今日も、小さな蜂さんがやってきました。

矢車ぶし(やしゃぶし)の実と枝を刻んで草木染

濃い染液を取り出して、今日はシルクウールの糸を染めてみましょう。
毛糸類は、温度の変化に敏感で、ちょっと油断すると縮んで(フエルト化)しまいます。又、細い糸同士が絡まらないように、細心の前準備作業が必要なのです。

ですから、毛糸類を染めるときは二日がかりの作業となります。
一度80度位まで煮出した液を布袋で濾し、いったん40度位に下げてから、糸を絡まないように入れ再びガスに鍋をかけ、ゆっくり70度位までに温度を上げていきます。
温度が上がったら、鍋を火から下ろしそのまま1晩おき放冷していきます。
この間に、ゆっくりと色を吸収して行くのです。味を煮含ませるお料理と同じですね。

長くなりますので、二日目の作業は次のブログで‥お伝えします。

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