もう、むかごが生っていました。

久しぶりに畑(らしきもの)に行ってみると、ヤマノイモが蔓を一杯伸ばし、花が咲き、早や、むかごがなっています。
むかごといっても知らない人も多いと思いますが、ヤマノイモの種なのです。栽培されている長芋と違って、ヤマノイモは野山に自生しているもので、自然薯(じねんじょ)といわれている種類です。その種が、むかごで、薬膳の料理にも使われるほど身体には良いようです。

そのむかごを5〜6年前に山野から採ってきて、空き地にぱらぱらと蒔いておきました。毎年春になると、蔓を自然に伸ばし、むかごを生らしてくれます。野山を巡り、集めて回るのも、秋の楽しみの一つですが、こうして空き地に生ってくれると、欲しいときに簡単に手に入り、大好きな「むかごご飯」が炊けて、重宝しています。
むかごご飯は、料亭でも出されているようで、もっちりとした味わいがとても美味しいのです。

写真の薄黄色の花の付け根の所に小さな塊が出来、それが直径1〜2センチのむかごに成長します。

この葉と実の生り方で、思い出したのが栗の実のことです。
栗の花は、10センチ近い穂のような花ですが、この花から毬(いが)が出来て中に栗の実が生ると思っていましたので、この穂みたいな長いものが、どうしてイガのようにまん丸になっていくのだろうと、長い間不思議に思っていました。今年その謎がようやく解けました。

田植えの頃、栗の花の終わりかけに、花のつけねの所にちっちゃな黄緑色の毬の赤ちゃん(5ミリ前後)を見つけたからです。花とは別に毬が生まれていたのですね。花はしばらくすると使命(どういう役割があるのかしら?穂のようなのが雄花、毬の赤ちゃんが雌花??かな)を終えて散っていきました。毬の赤ちゃんは、もう今では大きな毬になり、きっと栗の実をその中に成長させていることでしょう。

むかごのすぐ傍に、ナガイモの花の、細長い茶色の枯れたのが残っていたので、栗と同じような生りかたをするのだな‥と合点がいきました。

まだまだ暑い夏の日と思っていますが、小さな秋がここにも生まれて、ゆっくりと密やかに、自然は移ろっているのですね。