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奈良・春日大社で古い時代の草木染や草木染の染料植物を学ぶ

2017.07.31

カテゴリ:インストラクター養成講座, 草木染教室

7月下旬に、第2回ののはな草木染研究会を開催しました。

ののはな草木染研究会というのは、ののはな草木染アカデミーでインストラクター養成講座の上級コースまでを修了した受講生がメンバーとなり、草木染の歴史を学んだり、各地の美術館を訪ねたり、自然の中を歩いて植物を観察したりと、メンバー同士の交流を深めながら草木染にまつわることをより深く学ぶための会です。

メンバーが持ち回りで幹事さんとなり、自分の得意分野や仕事での専門性を発揮して、資料を作ったりみんなの前で解説をしたり、また当日のタイムスケジュールなども計画してもらいます。

今回は、インストラクター養成講座1期生の大瀧さんと、2期生の明石さんが幹事となり、奈良春日大社にリニューアルオープンした国宝館や万葉植物園など、草木染にフォーカスしてルートを考えてくれました。前もって下見をしたり、多くの資料を整えたり、メンバー同士のLINEグループでみんなに連絡したり…本当によく準備してくれました。

 

 

学生時代から月1で東京から奈良に、特に薬師寺に通ってきていた奈良を愛してやまない大瀧さんは、奈良のお寺や神社にとても詳しいです。

リニューアルオープンした春日大社国宝殿では、大瀧さんに見どころの説明をしてもらった後、実戦用ではない国宝の鎧や籠手(こて)を観賞しました。展示は終わっていましたが、鹿皮を茜(あかね)で染めて制作された赤糸威大鎧(竹虎雀飾)(あかいとおどしおおよろい)(下の写真の右上の鎧)は「本当に茜染の赤い色がきれいで素晴らしい鎧だった」と下見の時に見た鎧の話をしてくれました。写真で見ても茜の色が鮮やかで、きれいですね。

 

 

他に同じような赤糸威大鎧(梅鴬飾)も展示されていましたが、これは紅花染でした(上の写真で左下の鎧)

これまでじっくり見たことがなかった鎧ですが、こんな鎧にまで草木染が施されていたのは、驚きでした。奉納用・儀式用のためとはいえ、細かな細工飾りがなされていて、草木染の色もきれいに残っていて美しい美術品のようで、見ごたえがありました。

 

続いて、春日大社の御巫(みかんこ)修行と十二単(じゅうにひとえ)のお話がありました。

 

 

春日大社で御巫修行を受け、巫女体験をした大瀧さんは、十二単を着せて頂く機会があったそうです。本人はじゃんけんで勝ったのでと言っていましたが、凄い特別な体験ですよね。着せてもらった衣は草木染ではなかったようですが、「絹で作られた十二単の重さを実感した、だから座っている絵姿が多いんですよね」と感想を言っていました。そういえば小倉百人一首の姫は、座っている図が多いですよね。やはり重かったからでしょうか。それにしても大瀧さんの十二単姿、かわいいですね。

また、20年に1度の式年造替を終えた朱色に輝く春日大社の「正遷宮初詣り」を、巫女さんのご案内でさせて頂きました。特別な宗教を信じているわけではないけれど、やはり何かを拝む気持ちになってしまいます。

 

朝に訪ねた万葉植物園では、万葉集の歌に出てくる植物で、染料となる植物を中心に明石さんが解説してくれました。明石さんは、普段は野生植物や動物の環境調査の仕事をしています。

 

 

むらさき(紫草)の花が2~3輪咲いていて、初めて実物を見ました。その根っこである紫根を染めに使うのですが、その染め方は特殊でとても難しかった記憶があります。京都に紫野という地名が残っているのは、野生あるいは栽培したむらさきが群生していたからだそうです。明石さんによると、むらさきは環境省では絶滅危惧ⅠB類(EN)、京都府では絶滅寸前種、奈良県では絶滅種だそうなので、今ではとても貴重な植物になっているのですね。

くれないも咲いていました。くれないは、紅花の事です。個人的には、ジブリの高畑勲監督の「おもいでぽろぽろ」が好きで、紅花畑の描写がとてもきれいだったことを思い出します。

紅花も教室で染めたことがあります。染めるには、紅花を水で何度ももんで、出てくる黄水を捨てて紅を抽出するという大変な作業があります。残念ながら色があせやすい植物なので、万葉集では、心変わりのシンボルとして引き合いにされていたそうです。

他にも、あかね、くず、やまあい、はぎ、すすきなど、いろいろな染料植物を実物を見ながら解説してもらいました。これまで染めたことがないカキツバタや鶏頭も、染料植物に入っていましたが、どんな色になるのでしょう。いつか教室でも挑戦してみたいですね。

 

これまで気になりながらも、詳しくは知ろうとしなかった万葉集にでてくる染色に用いる植物とその歌の世界。自分の手で草木染をしているからこそもっと万葉集の世界を知りたい、万葉植物園をまた季節のよい時に訪ねたいと思いました

 

 国宝館で

 

会の終わりに、大瀧さんが紹介してくれた天平庵東大寺店で冷たいかき氷や抹茶パフェなどで体を冷やしました。その美味しかったこと!

夏の暑い1日でしたが、幹事さんのお陰で参加者のみんなが本当に充実した良い1日となりました。感謝です。

 

松本つぎ代


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