インストラクター養成講座の11月第1日目の授業は、麻、木綿、シルクの糸染めを学びます。

 

これまで布を染めることが主だったのですが、今回様々な素材の「糸」を染める手順を学びます。糸を染めることが出来るようになると、織や編み物、刺繍、フェルトなど草木染を活かす作品づくりの幅がさらに広がっていきます。

 

綿、麻、シルク、ウールの糸を染める時は綛(かせ)の状態にして染めていきます。毛糸屋さんで売っているような毛糸玉の状態では染められません。

綛状にした綿、麻の糸は、前もって下地処理をしておきます。シルクの糸は下地処理なしで、またウールの糸(原毛も一緒に染めます)は特別な媒染処理が必要です。

コーンに巻かれた糸を綛(かせ)くり器で綛にする練習をしたり、綛車から外した時、又染める時に糸がばらばらにならないように一つにまとめている「ひびろ」(聞きなれない言葉ですが)の大切さをお伝えしました。

綛の状態の糸を扱うのは初めての方が多く、「こんな器械初めて!」「きれいに巻けるんですね」とこの作業とても新鮮だったようです。

 

使う植物は、ビワの枝葉、秋に原っぱに広がっているメリケンカルカヤです。

まずは、麻糸を1色で染めます。

下地処理を済ませた麻糸を、秋に収穫し乾燥させて保存してあったメリケンカルカヤで染めます。

地味な目立たない草ですが、とっても鮮やかな色を出してくれるので、アカデミーでは重宝しています。苅安と同じような黄色に染まります。今回はグレイッシュな麻糸に染めたので、少し渋いオリーブグリーン色に染まりました。

 

 

次に木綿の糸をビワで染めていきます。

ビワの枝葉をみんなできざみ、煮出して、きれいな色を頂きました。

元の白地、防染してビワのミョウバンの色、鉄媒染の色と3色で染め分けます。

皆さんそれぞれに防染するところを替えていたので、オリジナルな糸が完成しました。

 

シルクは、様々な色を組み合わせて染めてみましょう。

だんだん綛の状態の糸に慣れてきたようですね。シルクをぼかし調に染めていきます。ビワとメリケンカルカヤの鉄媒染の色もきれいですね。

 

このブログの一番最初の写真は、各自が染めたシルクの糸です。思い思いの色の組み合わせで優しい色の糸が染め上がりました。

 

第2日目は、一番難しいウールの糸と原毛の染をします。お楽しみに~。

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代