インストラクター養成講座第5期生の授業が5月に始まり、初級コース、中級コースと進んできました。

草木染についての基礎知識もだんだん身につき、9月はいよいよ中級コース最後の授業です。トートーバッグを創るためのテキスタイルを制作し、プロの方にバッグの仕立てをお願いしました。

染める植物は月桂樹で、布は厚手の麻地です。トートバッグの形は、縦長あるいは横長の形を各自で選び、バッグのサイズに収まるように図案を考えてもらいました。

技法は、月経樹を鉄媒染した後に、錫とチタンで媒染剤を変えることで模様を描く着抜技法です。

9月末にバッグに仕上がってきました。ひとりひとりの個性が発揮されて、とても素敵なバッグとなりました。どうぞご覧ください。

 

上津原さんは、「このバッグを高校3年生の息子が気に入って、使ってくれています」と嬉しそうにお話しされていました。気に入ってもらってよかったですね。シマウマとリス、楽しい図案が生き生きと表現されています。

 

   

高岡さんは、愛犬”ののか”ちゃんをモデルに制作。「モデルになってくれたので、おいしいお肉を御馳走しよう!」と言葉に愛があふれていました。本当に動物がお好きで、すずめなどもモチーフにいろいろ制作されています。

 

橋本さんは、アルファベットと数字をとても面白くデザインしています。文字の組み合わせ方、錫とチタンの着抜のバランスもいいですね。少し淡い色のグレーの切りかえも凝っています。

 

田中さんは、ライオンを絵本風にデザイン。月桂樹で染めて、ミョウバン媒染の部分を少し残してぼかし染めで鉄媒染をしているのがおしゃれですね。ライオンの鼻には生地をほどいた糸で刺繍が!ちょっとしたこだわりがポイントです。

 

竹中さんは、何種類かの形の細い棒で着抜の作業をとても丁寧にされています。近くで見るとその丁寧さが伝わります。シンプルで服にも合わせやすく、バランスの良いバッグになりました。

 

田方さんは、テキスタイルデザインの仕事をされています。今回もパソコンで図案を書いてきました。自分で考えた図案を一筆一筆、錫とチタンの着抜液で丁寧に描きました。両サイドぐるっと途切れることなく連続した模様になっています。「こんな風なものづくりが仕事にできればな~」とおっしゃっていました。

 

自分でデザインし布を染め、模様を作り、それぞれの思いがこもったオンリーワンのバッグになりました。

今回ご紹介できなかった作品は、次回にご紹介します。お楽しみに~。

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代