草木染インストラクター養成講座第5期生の修了制作~「これまで学んできた様々な技法を自由に組み合わせて、バッグのためのテキスタイルを制作する」を1月、2月にかけて行いました。

これまでほぼ1年間かけて学んできたこと~草木染の様々な染め方や技法、染めた糸などを自由に組み合わせデザインや制作手順を考えた集大成としての作品制作です。

 

始めに、バッグの形を大きなトートバッグにするか、ファスナー付きの半円形のバッグにするかを選んでもらいました。バッグの形やデザインに合わせて、板締め技法やぼかし染めなどで地色を染めていきます。

使用する布はバッグとして制作する為に、かなり厚地の麻100%のヘリンボーンに織られた生地です。片面が起毛したベルベット状になっていて一枚の布で裏表が濃淡に染まるという、とても面白い生地を使っています。

 

 

メリケンカルカヤと梅がきれいな色に染まっています。栗のイガではミョウバン媒染でベージュ、鉄媒染でかなり黒に近い色が染まりました。。板締めの丸がしっかり白く抜けていますね~。

これから後は各自それぞれの作業です。細い棒や筆を使って着抜という技法で面白い模様を作っていきます。まだ着抜液がしっかりと反応していないので、模様はわかりにくいですが。

 

 

型紙を彫って模様を作ったり、よりリアルに筆で犬の表情を表現したり…

 

 

デザインに沿っていろんな植物の色を順に重ねたり、さらにもう一度板締めを施したり、

 

 

ビー玉を使って白い丸の中に梅の染液で赤く模様を作ったり、生地の濃淡を生かしてパッチワークしたり…作業が黙々と続きました。

 

 

着抜や型染の後は、上級コースで多色染めしたシルクの糸を使って刺繍をした人も多かったです。多色に染められた糸が、紅葉のように見えたり、全体のポイントになったりと模様を一層引き立ててくれます。

 

 

 

また、様々な植物を使って単色で染めた糸も、何種類も使って刺繍に使うと表現が広がっていきます。

 

 

染めたウールの糸も、うまく刺繍やフェルティングに生かされていますね。

 

 

 

 

皆さんそれぞれが創意工夫をして、とても素晴らしいバッグのテキスタイルになりました。

修了制作を通して、これまで学んできた草木染の様々な染め方や技法が互いに引き立て合うことを実感し、草木染が持っている可能性を自分らしく拡げていく方向が少しは見つけることができたのではと思います。染めの作業の大変さとともにそれによって広がる表現の楽しさを、今後も思い出してもらえたら嬉しいです。

 

3月に入り、制作したテキスタイルがいよいよプロの手によってバッグとなって出来上がってきます。

次回は皆さんの出来上がったバッグと、その作品に込めた思いなどをご紹介します。お楽しみに~。

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代