ののはな草木染アカデミー、インストラクター養成講座10月の第2日目は、「ウールの特徴を理解し、ウールの染め方を学ぶ」です。
ウールの染め方は、第1日目の綿、麻、シルクの糸とは違う染め方をします。ウールの特徴として、温度の急激な変化や摩擦で縮んでしまう、フエルト化するという性質があるからです。又、繊維の奥まで色が染まるには、これまでと違う方法でミョウバン媒染をしないといけません。
ウールを染める時には、色々と気を付けなくてはいけないことを講義で学んだあと、糸の準備をします。糸を染める時は、コーンや玉状に巻かれた状態からは染められませんので、綛(かせ)の状態にする作業が最初にあります。
日ごろはあまり目にしたことがない、糸巻き機や綛くり機という道具を使って綛にします。
生徒の皆さん、こんな作業は初めてで「綛くり機を見てたら目がまわる」という人もいて作業されていましたが、順調に巻きあがって綛になっていくのは楽しそうでした。
染液は、第1日目に煮出してあるビワ、キバナコスモス、インド茜、ログウッドの4種です。
染液に糸を入れる時も、洗いをする時も、温度をはかりながら、温度が急激に変化しないように丁寧に作業を進めます。
茜もビワも、絡まらずフェルト化もしないできれいに染まっていますね~。
染めた4色を並べてみるときれいです。ログウッドは染液を薄めて染めたので、藤色のような柔らかな色になりました。キバナコスモスは、綿、麻の時に染まったオレンジと違って黄色に染まっています。繊維によって色に違いが出るのも面白いですね。
昼からは、原毛を6色に染めました。やはり気を付けるところは同じです。急激な温度差に気を付けるように!絡まらないように!摩擦をかけないように!
とても繊細に細やかに…。
キバナコスモスです。
茜です。
ログウッドも薄めて染めると薄青紫に。
他にもキバナコスモスの鉄媒染、ビワ、ログウッドの濃い色も加わって、計6色が染まりました。
11月の授業で、この美しく染まった原毛を使う予定です。
ウールの絡まるという性質を逆利用して今度は、ニードルフェルティングで額に入れるフェルト作品を作ります。お楽しみに~!
冬が近づくと、日の暮れるのが早くなります。福井県や長野県、岐阜県、名古屋、舞鶴など皆さん遠くからお越し頂いているので、帰りが気ぜわしくなってきました。電車、新幹線や高速バスに乗り遅れないように、どうぞお気を付けてお帰り下さ~い。
ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代