梅がちらほら咲き始めましたね。 1月初旬、寒の水で白梅と月桂樹を染めました。 ご近所から頂いた、庭で剪定された小さなつぼみの付いた白梅と、青々と茂った月桂樹の枝葉です。

一抱えもある梅の枝の束を、一枝づつ樹皮を心材から剥がすようにして小さく折って皮をむいて小さくして行きます。多くの色を貰うために必要な作業ですが、これはかなり根気と体力の要る仕事です。

この小さくした梅の樹皮と枝を煮出して色を貰うのです。煮出して琥珀色になった染液は、透き通っていて、とても綺麗です。このまま染める時もあるし、又風を染液に送り込んで赤味を出す作業を重ねたりもします。

 草木染、梅と月桂樹で染めたモヘヤの糸
二日間かけて、今年初めて梅で染めた細いシルクモヘアの糸は、淡い薄紅色をしていました。細いシルクモヘアは、染める時に一番気を使うものですが、優しく花びらのように風に揺れているのを見ると、心が和んできます。

同じように数日後、月桂樹も染めたのですが、こちらは媒染剤を木酢酸鉄にした為、紫がかった優しい淡い墨色になりました。化学染料では出せない、透明な美しさだと思います。

剪定して不要になった枝から、こうして植物の命を頂戴して、再び糸に美しく色としてよみがえったと思うと、嬉しさが心にわいてきますね。枝を持ってきて下さったOさん、又見てやってくださいね。