雨の合間に、草抜きをする。
猫の額よりも小さき庭であるが、草はどんどん生えてくる。

昨日、びっくりぐみの木の下の草を抜いている時だった。
草ではない気配を感じて、手を止めてみると、小さきグミと南天の幼木(約5cm)が生えてきていた。

実の成る木が好きで、狭い庭にギュウギュウづめに何本か植わっているが、枇杷、杏子、さくらんぼの木は十数年前に、果物を食べた後の種を庭にポーイとしたものが、大きくなったものである。

枇杷は、毎年良く実がなってくれて、枇杷酒にしたり、生で楽しんでいる。杏子は、隔年でなり方が違って一昨年は13キロ、昨年は大きいのが5個だけで、今年は7キロなってくれた。ジャムにすると最高に美味しくて、パンに塗ったり、ヨーグルトに入れたりして味わっている。さくらんぼは、さすがに実生ではならないようで、40個くらいが限度であるが、ほとんど収穫する前にひよどりのご馳走となっている。

どの木も、花は奇麗、実はなる、染めにも使えると三拍子揃っているのが、とても嬉しい。(桜伐る馬鹿と言われるので、さくらんぼの木は伐らないが)

グミや南天は、ポーイした記憶が無いので、多分自然に落ちて、あるいは風に運ばれて生えてきたのだろう。幼き木を見ていると、頑張れよと声を掛けたくなる。が、よく考えてみると、もうこの木達が大きく育つ空間が無いのである。大きくなる前に貰っていただくか(でも欲しがる人も少ないかなあ。枇杷と杏子は貰っていただいたが‥)、しばらく大きくなるまで、楽しませてもらってから、引っこ抜くしかなさそうだなあ。折角誕生したのに‥、成長を見届けられないなんて‥何か良い方法があるだろうか。