11月半ば過ぎに、インストラクター養成講座修了生に向けてウメノキゴケ(地衣類)を染める特別授業を開催しました。

「自分で染めてみたけど、先生のところで見たウメノキゴケのあの美しい色が染まらない。茶色っぽい色に染まってしまうので、特別授業をしてほしい」との声があったからです。

ウメノキゴケは、採集してきた植物を煮出して染める草木染とは全く違う工程が必要です。染液を1~3か月ほどかけて作ります。

梅だけではなく、桜や石垣などにも生育しているのですが、マツゲゴケというよく似た地衣類も同じようなところに生育しているので、採集するときに注意が必要です。マツゲゴケが多く混じってしまうと染まった時に茶色っぽい色になってしまうからです。

授業では、採集するときに間違わないように実際のウメノキゴケとマツゲゴケを観察してもらい、その違いのポイントを説明しました。皆さんその違いが分かるように、しっかり近づけて写真を撮っていました。

採集してきてからの掃除の仕方や助剤の分量、漬け込み方などを説明した後に、すでに数か月前に漬け込んでいたウメノキゴケを使って染めに入りました。

ストールに赤みや青みの紫が染まってとてもきれいです。あの小さな植物のどこにこんなにきれいな色が潜んでいたのでしょうか。

 

着物や帯、ストール等を織っているお二人は、シルクのとても細い糸を染めました。

 

 

木綿にも絞りをして染めると、とてもきれいな模様ができました。

 

早速お気に入りを首に巻いて…

 

これからはご自宅でも、ウメノキゴケのきれいな色が染められるといいですね~。

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代