こんにちは。松本陽菜です。
9/6から9/13の一週間、デンマークに行ってきました。
初めてのデンマーク旅行での一日一日は、あまりにも濃密で感動的な体験の連続で、日本に帰ってきた直後はまだ自分の中で消化しきれないほどでした。そんなデンマークでの貴重な体験をブログに書きながら振り返っていこうと思います。
滞在したのは首都コペンハーゲンではなく、トゥベステッドという所にある「Tversted Skole(トゥベステッドスコーレ)」。Skoleは学校という意味なのですが、世界的なニットデザイナーのマリアンネ・イサガーさん(日本でも毛糸の販売や編み物雑誌に掲載されたりしている方です)が廃校になった小学校を引き取り、自身の工房や、アーティストレジデンス、ギャラリーなどにリノベーションして活用されているのです。そこにある宿泊施設に一週間滞在しました。
滞在したこの学校がまず本当に素晴らしかったです。
広々とした敷地に美しいレンガ造りの建物。
ヤギやアルパカもいたりして。
学校の周りにも農地や牧草地が広がっていて、空が広く、とても開放的。牧草地には馬や牛、羊、鹿などの動物たちが戯れて草を食んでいる風景が普通の日常です。
学校の中にはアート作品やテキスタイル作品などがいたるところにあります。
これはニットのパッチワークで表現したチャップリン。
体育館の壁にも染色の作品が掛けられ、大きなスクリーンで映画の上映も出来るようになっています。
編み物や糸紬ぎができる部屋があったり、大きな織機が置いてある部屋もありました。
そしていくつもの教室が様々なアーティストの方のアトリエにもなっていました。
こちらはトーヒルさんのアトリエ。
編み物や女性の顔をモチーフにした織りかけの作品、そしてかわいいお人形の作品などを見せていただきました。
お人形に着せているのは手編みのセーターや手縫いのスカート。そしてよく見るとお人形の体は、なんと日本の新聞で作られています。
この上の写真の腕時計の作品も遊び心があってすごく素敵です。
夜のパーティーでトーヒルさんとお隣の席になっていろいろお話させてもらったのですが、その時色違いの腕時計の作品を付けていらっしゃいました。白髪のベリーショートに足下はコムデギャルソンの水玉のスニーカー。そしてこの腕時計。年齢を重ねても遊び心を忘れない、めっちゃおしゃれです!
他にも手織り作家さんのアトリエや、レタープレス(活版印刷、凸版印刷)のアトリエ、紙漉きのアトリエ、製本のアトリエなどが学校内にあり、どのアトリエのアーティストの方も、快くアトリエを見学させてくださり、機械を触らせてくれたりするのです。
これはレタープレスのアトリエ。
道具や機械には長年使いこまれた重厚感があって、きっと今ではとても貴重な機械だったりするのだと思います。
Tversted Skoleは、小学校としての名残を感じる建物とそこに集う作り手の方たちが放つ創造性が合わさって、なんともワクワクする空間なのです!
そうそう、食堂も素敵なんです。毎朝ここで美味しいパンやチーズなどが好きなだけ食べられて、朝から気分が上がって食べ過ぎる。
デンマークはパンと乳製品がすごく美味しい国なんだと、この旅で知りました。
学校から歩いて数分のところにはマリアンネさんのニットショップ「ISAGER SHOP」もあります。
緑に囲まれた赤い屋根のかわいいお店です。
セーターやマフラー、そして色とりどりの糸が並び、店内も本当に素敵でした。
学校から自転車で10分ほどで海にも出られます。先に何も見えないほど延々と続く砂浜と水平線、そして独特なグレイッシュな色合いが日本の海とは明らかに違い、遠く離れた国に来たことを実感しました。
なんとマリアンネさんは、本格的な冬以外は毎朝この海に入るのが日課だそう!車や自転車でお友達も集まってきます。9月といっても北欧ですから気温20度もありません。そしてけっこう風が強いし、波も荒い。
さっと入って上がったら、みんなでシュナップスという胸がかっと熱くなる強いお酒で乾杯。そして「じゃあまた明日!」と言ってものの30分程度で帰る。きっとみなさん60歳を超えていらっしゃると思うのですが、なんと元気な!でもこれこそが元気の秘訣なのでしょうか。
滞在地のTversted Skoleやその周辺のことをざっと書いただけでも、けっこうなボリュームになってしまいました。
こんな場所に滞在し、展示会の開催や現地のアーティストの方々との交流、風光明媚なSkagenを訪れて博物館や美術館を巡るなど、盛りだくさん過ぎる一週間のデンマーク旅。
この次は、土日の二日間にTversted Skoleのギャラリーで開催した展示会「Japanese handcrafts in Tversted 」のことを書きたいと思います。
松本陽菜