7月1日は、ののはな草木染アカデミーの草木染研究会の日でした。

研究会は、インストラクター養成講座の卒業生が集まり、様々な角度から草木染について意見を交換し研鑚を積んでいくことを目的としています。

今回は、お仕事で環境問題に取り組んでいる明石さんが講師をしてくれました。「草木染による外来植物の駆除活動」~身近な自然と草木染とのつながりを知る~をテーマに進められました。

教室での講義の前に工房近くの木津川に行き、外来植物について教えてもらいました。セイタカアワダチソウやミチバタナデシコ(?)、その他名前は忘れましたが様々な外来植物がすぐに見つかり、身近なところで外来植物が根付いていることを知りました。

その他、木津川の河川としての特徴なども話してくれました。これまで河川について学んだこともなく、専門的な見地からの話が半分くらいしか理解できなかったのがとても残念。

次は、草木染に使う「オオキンケイギク」の採集です。オオキンケイギクは、「特定外来種」(生態系に悪影響がある生物、栽培禁止)に指定されていて、駆除の対象になっているそうです。黄色い可愛い花で花壇に植えられても良さそうな植物に見えますが、駆除の対象になっていることが大変な驚きです。

道路沿いの歩道の脇にオオキンケイギクは一面に生えていたのですが、時期が遅れたので、もう種が出来ています。種が飛び散って繁殖しないように、種をひとつづつ丁寧にはさみで切りとり、袋に入れて持ち帰り処分します。

 

種を取り除いてから、根こそぎ引っこ抜いていきます。何やら花泥棒の様ですが、明石さんによるとこれがオオキンケイギクに対しては正しい行動らしいです!

 

持ち帰ったオオキンケイギクの枝葉を昼食の間に煮出します。それと同時に明石さんが名古屋方面で以前に集めて持ってきた冷凍の花+今日採集した花も煮出しました。どのような違いが出るのか、楽しみです。

 

は~い、こんなにも違う色になりました!

左が冷凍+今日の花だけ、右が茎と葉です。駆除の対象になっているオオキンケイギクからこんなに鮮やかで美しい色が生まれるのです!

 

皆さんそれぞれ楽しく染められました。

 

染め終わった後は、明石さんの講義で、さらに詳しく外来植物、また動物についても学んでいきました。

Q1 外来種とは何か?

Q2 外来種は悪者か?

Q3 外来種の何が問題か?

Q4 外来種の駆除で気をつけるべきことは何か?

Q5 外来種は今後どうしていくべきか?

 

古くは食用、観賞用として、また近年では緑化用や飼料として輸入され人間にとって「有用」だったものが、現在では爆発的に増えすぎてしまって特定外来種や要注意外来種として扱われているものも多くあるようです。

オオキンケイギクも元は観賞用として輸入されたそうです。

Q2~5に関して、様々な意見が出ました。

「人間の勝手!」「そもそも在来種や外来種と分けるのがおかしい」「どうバランスを保つのが良いか考えるべき」「動物は被害がはっきりしてるが、植物は被害が分かりにくいから難しい」などなど。

研究会修了後も「植物について考えるきっかけになった」「外来種に対して目から鱗だった」「駆除するだけでなく草木染に活用して美しい色として残せることをもっと多くの人に知って欲しい」などの意見も出され、クレッションに対する答えは出ませんでしたが有意義な研究会となりました。

 

駆除される対象であるオオキンケイギクですが、それを使った草木染の美しい色が多くの人に知ってもらい活用していく方向が生まれることを願っています。

明石さん、色々な準備、説明付きのフィールドワークと解りやすい講義、ありがとうございました!

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代