今、田植え前の田の畦道にカラスノエンドウ、スズメノエンドウ、カスマグサ、クサフジが、勢いよく伸びています。
カラスノエンドウは、子供の頃小さな鞘でピーピー鳴らしたあのピーピー豆です。
スズメノエンドウとカスマグサ、クサフジはご存知でしょうか。スズメ‥とカスマ‥は小さくて、解りにくいですが畦道を歩く時は、ぜひ見つけてみてくださいね。
名前の通り、スズメノエンドウは、3〜4ミリの小さな白紫の花が4〜5個まとまって咲きます。
葉や蔓も、勿論小ぶりです。花が咲いた後の鞘の中の実が、必ず2個づつと言うのも、面白いですね。
カスマグサは、カラスノ‥とスズメ‥の間の大きさだから、カス間草。
なんだか解ってしまうと笑える、とぼけた命名の仕方ですね。
花は、2個づつ紫っぽい小さな花を咲かせ、実った鞘には、3〜5個の豆が入っています。
スズメノエンドウもカスマグサも、何倍も大きくて強そうなカラスノエンドウに陣地を奪われずに、毎年蔓を伸ばしています。自然の摂理で共生しているのでしょうね。
最近カラスノエンドウを脅かす勢いで増えているのが、クサフジです。
この2〜3年で、随分と目にするようになりました。藤の花のような咲き方で、園芸種と見間違うほどの豪華さです。他と共生しないで、カラスノエンドウに覆いかぶさり、蔓を伸ばしています。スズメノエンドウやカスマグサも覆い尽くされるのでしょうか。ちょっと心配です。
このカラスノエンドウやクサフジを、ゴミ袋一杯ほど全草刈り取ってきて(スズメ‥とクサマ‥は、小さくて量も集められないので、かわいいなと鑑賞するだけです)草木染をします。いくら雑草とはいえ、やはりよそのお宅の田や畑の畦に生えているもの。刈り取っていて、怒られはしないかと、冷や冷やしながらの作業です。勿論近くに人がいる時は、挨拶をしてから頂きます。染めてみると淡〜い若草色から黄色が生まれ出てきます。春の息吹の色ですね。
カラスノエンドウは、その葉先を5センチ程つまんできててんぷらにすると、もちっとした食感が楽しめ、教室でも人気です。またその鞘は、野菜のきぬさやの様に使えるそうです。まだ試した事はありませんが‥。
色を頂き、舌でも楽しむ、春の野草からのこの時期限定の贈り物です。
お百姓さんは、田植えの準備や、畑の草引きという重労働が始まる季節ですね。