草木染で、緑色を染めるのは、たやすい事だと思っていました。
緑色の草や葉を使って、そこから緑色を取り出すのですから。

淡い草色や黄緑色は、春先の蓬やカラスノエンドウなどから貰えます。
ところが、椿の葉のような濃い緑色は、どのような植物を使っても、なかなか染まらない事が、しばらくすると解って来ました。
緑葉から黄色や赤系は割りと染まるのに、緑そのものが染まらないとは、なんだか不思議ですよね。

では濃い緑色は、どのようにして染まるのでしょう。
濃い緑色を染めるときは、二段階に分けて染めます。

草木染で濃い緑を染めるには

まず濃い黄色系を染め、それから藍をその上から染め重ねます。

去年のメリケンカルカヤで染めた濃い黄色(麻)に、夏の間に教室で何度も染めている藍を染め重ねて見ました。
するとどうでしょう。見事な椿の葉のような緑が現れました。
黄+青で緑になったのですね。

草木染で濃い緑を染めるには黄+青

毎年する染め重ねの作業ですが、いつも不思議さに見とれてしまいます。
お日様の黄色と空の青さ=空気から、緑=植物が生まれ出てくる、理に適った色の出現なのかも知れません。美しい草木染五色セットの小座布団の一色として加えようと思います。

藍染など