9月のインストラクター養成講座は、中級コース最終レッスンである「着抜技法を学ぶ」でした。着抜技法とは、布の地色を鉄媒染で黒く染め錫やチタンの着抜液を使って模様を描きだす技法です。
通学部では、植物はアカメガシワを使いバッグ用の麻生地を鉄媒染で出来るだけ黒く地色を染めました。
各自が考えた図案を写し、着抜液でぬり分けたり、筆で一筆一筆描いたり、自分で彫った型紙で着抜したりしていきます。
通信部の方達は、各自が採集してきたサルスベリ、アカメガシワ、栗などを使って地色を染めていました。植物によって、着抜液でそれぞれの色に変化しているのも面白いですね。
10月下旬に染めた麻生地が、縦長と少し横長のトートバッグに仕立てあがってきました。皆さんの力作をご紹介いたします。どうぞご覧ください。
バッグの表面と裏面を全く色もデザインも変えて制作したり、
数字が面白く表現されていたり、ジグソーパズルの1ピースがおしゃれなデザインとして使われていたり、
コーヒー豆が大胆にデザインされたり、図案なしで一気に油絵のように表現したり、
メルヘンの世界が浮かび上がったり、
バッジのような模様や、丸の様々な表情だったり、
持ち手にも模様があったり、地色に絞りが施され濃淡に染め分けられたり、
丁寧な線描きで一つの物語が語られていたり、型紙を本当に丁寧に彫ったんだろうなと感じられる、シンプルだけど味わい深い作品だったり、
表面と裏面でストーリーができていたり、
それぞれの作品に創意工夫と個性がよく表れていて、すべてのバッグを並べてみたときは圧巻でした。
草木染の色を楽しむだけではなく、自分がデザインした模様を染めて仕立て上がってきたバッグを皆さんに喜んでいただけてとても嬉しいです。
10月から、すでに上級コースが始まっています。植物の色を重ね染したり、綿、麻、シルク、ウール等の糸を染めたり…これからも草木染の美しい色と様々な技法を使って作品制作を楽しんでくださいね~。
ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代