昨年5月から始まったインストラクター養成講座第6期生が、2か月かけて修了作品を制作しました。コロナ感染拡大という困難な一年でしたが、生徒さんたちは5月から初級コース→中級コース→上級コースと進むにつれて様々な植物の色を染め、又染め方もぼかし染め、板締め、絞り染めなどいろいろな技法を習得してきました。そして生地ばかりではなく、糸や原毛なども植物で染めてきました。

これまで学んできた集大成として、各自がデザインし、気に入った技法を自由に組み合わせてバッグのためのテキスタイルを制作しました。そのテキスタイルをプロの方にバッグに仕立てて頂きました。

作品のバッグを3回に分けてご紹介していきますが、どんな技法で染めているのか、この色は何の植物の色なのか、刺繍やフェルティングが施されているのかなど一点づつゆっくりご覧いただければ幸いです。

 

Oさん (通学部 大阪府) 植物(茜、メリケンカルカヤ、栗のイガ、藍、他)

 作品タイトル:暁と夕陽

   

 

違った色をだんだん順に染めていくのに苦労されていましたが、タイトルどうり、日が昇ってきた朝焼けの空と、暮れゆく夕焼け空が上手く表現されています。

「思っていたイメージ以上に、色が重なった部分に違った風景も現れ、草木染めの醍醐味を体感することができました」とのこと。Oさん、良かったですね。

フェルトや刺繍も立体的に雰囲気を醸し出しています。

 

Nさん  (通学部 鳥取県) 植物(コチニール、 藍、茜、梅、他)

作品タイトル:ピエロのステンドグラス

  

 

コチニールで染め、着抜技法で染め分けることでステンドグラスのようになりました。タイトルは後付けだと言っていましたが、本当に元気なピエロがサーカスに登場するイメージですね。縁取りの刺繍もユニークで力強いし、フェルトの色とりどりの真ん丸も楽しそうです。

「着抜技法は少し苦手意識がありましたが、先に染色した染料で着抜後の色の変化が楽しめるので、これからもいろいろ試してみたいです」というNさん。これからも楽しんでください。

 

Oさん  (通信部 広島県) 植物(コチニール)

作品タイトル:「シンプルで可愛い」を作りたい

 

「修了制作ではシンプルで使いやすいことを目標にしました」というOさん。

写真ではわかりにくいですが、生地の起毛してある面に媒染剤を変えて大胆な絞りの染め分けがされていて、また繊細なヘリンボーンの生地目が見える面には丁寧な刺繍が施されいます。シンプルですが、この生地の特徴をうまく生かしている作品になりましたね。

 

Mさん (通学部 兵庫県) 植物(栗のイガ、梅、メリケンカルカヤ、他)

 作品タイトル:修了制作を終えて、そしてこれからが始まり

 

栗のイガで染め分けた鉄媒染の部分に繊細な線を着抜技法でとても細かく表現できていますね。そのあと施された刺繍も流れのような、さざ波のような、面白い表現になりました。そして裏面は、全く違うおおらかなフェルトでの表現。まるで2種類のバッグを持っているよう!です。

「私の初めての草木染めの一年が終わりました。これからは今までの色の再現、新たな色、技法との出会い、これからが本当の楽しみの始まりです」と決意も新たなMさん。これからも草木染を長く深く共に楽しんでいきましょう。

 

ご紹介していますバッグは、ののはな草木染アカデミー「草木染教室 作品展」に展示されます。どうぞ実物をご覧くださいね。お待ちしていま~す。

「草木染教室 作品展」のご案内

日 時  4月1日(木)~4月6日(火) 10:00~16:00

場 所  ののはな草木染アカデミー JR奈良線 玉水駅下車徒歩6分

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代