スタッフブログ

ののはなスタッフのブログです。

草木染した原毛、糸でニードルフェルティングと刺繍で額絵を制作①

2019.01.21

カテゴリ:インストラクター養成講座, 草木染教室

インストラクター養成講座の12月は、草木染した原毛や毛糸を使ってニードルフェルティングと刺繍の技法で額絵を制作しました。

今回の授業は麻生地を栗のイガで染め、その布を額絵のキャンバスとして使います。その後、これまで草木染してきた糸や原毛を使って、各自の作品づくりをします。染めた布、糸、原毛を織や編みだけではなくこんな使いかたをすると作品づくりの幅を広げられますよ~と提案する授業です。

では、土日クラスの人達の作品を紹介しましょう。

Kさんの作品は、息子さんが小学生の時に描いた絵を忠実に再現し額絵にしました。小学校で未来を想像して描いたもので、何かの賞ももらった絵だそうです。

出来上がってから息子さんにプレゼントしたら、とてもびっくり、そして喜んでもらったそうです。それにしても、元になった絵をずっと大事に保管しておいたお母さんも素晴らしいです!

 

いつも元気いっぱいで、どんな作業でもチャレンジをするMさんは、多種類の原毛を石鹸を使ってフェルト化して、あふれるエネルギーを表現しました。

背景の麻布もただ一人絞り染めをしていて、その絞りによって原毛のエネルギーが風を巻き起こしているように見えますね。この技法でブローチも作ってみたいそうです。4月の「草木染教室展」で見られるのか楽しみです。

 

Sさんは、授業がクリスマス前だったのでツリーをフェルトで制作しました。木は立体感があり、まーるい飾りが色とりどりで可愛いですね。

自宅に帰ってから早速壁に飾られたようで、クリスマスツリーの素敵な雰囲気の額絵写真を送ってくれました。

 

 

第4期生の中で一番若いHさんの作品です。

上品な色合いを背景に、すっくと立った茜色の鳥の姿が可愛いですね。四隅の花、糸の太さを替えた刺繍、原毛でフェルトした細やかな表現が、バランスよく白い額の中に収まっています。

 

 

今回思いどうりの作品に仕上がったとおっしゃっていたMさん。様々な植物で染めた原毛の色どりと大きさのバランスがよく、絵として美しいですね。

チェーンステッチもニードルフェルティングも丁寧にきれいに仕上げて、思いどうりに出来上がって良かったですね! 五色豆の ような小さな丸が中央に並ぶ、もう一つの作品も可愛く仕上がっています。小さな丸をフェルティングで布にくっつける作業は苦労したそうです。

 

この続き②は、月火クラスと通信の方達の作品を紹介します。続きもどうぞご覧ください。

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代


草木染研究会&ウメノキゴケを染める

2018.12.26

カテゴリ:インストラクター養成講座, 草木染教室

11月中旬、秋紅葉の始まりの頃、南禅寺の塔頭寺院の一つである光雲寺で第4回草木染研究会を開催しました。

光雲寺は、後水尾天皇の皇后である東福門院様の菩提寺だそうです。

研究会のメインテーマはお寺とも縁が深い「紫色」についての研究発表です。今回幹事をしていただいたNさんから、高貴な色とされる紫と法衣との関係や東福門院様のお話などいろんな視点から興味あるお話がありました。

 

インストラクター養成講座の第1期生であるNさんは、光雲寺の中で素敵なお宿を運営されていて、そのご縁とご好意により座禅体験、田中ご住職様の法話、宝物拝見、昼食に精進料理、庭園散策などをさせて頂きました。

また、光雲寺のお庭に植わっている数本の梅の古木についている貴重なウメノキゴケをみんなで採集させていただきました。

 

日本では紫は紫根で染められていたようですが、今回ウメノキゴケを採集させていただいたので、研究会の続きとして12月中旬に、ウメノキゴケできれいな色を染めるための特別授業を開催しました。

ウメノキゴケは、他の植物と全く違って、色を抽出するのに1か月以上かかる特別な植物です。

これまでウメノキゴケできれいに染まらないという声を多くの人から聞いていたので、まずはウメノキゴケを見て頂きました。それと共に同じようなところに生育していて見分けのつきにくいマツゲゴケも実物を見てもらい、その違いと見分け方を説明しました。マツゲゴケが混じるととても濁った色になるので、この見分けはとても大切で、採集してきた後、漬け込むときにマツゲゴケが混じらないようにすることが重要です。

これまできれいに染まらなかった人は「私、これまでマツゲゴケも一緒に集めて漬け込んで染めていたみたい」と言っていました。

 

2か月ほど前、ウメノキゴケをこの日のためにアカデミーで仕込んでおきました。こんなきくらげのようなぺらぺらしたものから色が出て来るのでしょうか?

 

 

2か月たってウメノキゴケから色が抽出されて、とてもきれいな色が染まりました。

 

媒染剤によって、またシルク、綿、麻など素材によっても様々な色の表現が出来ることも皆さんにとって面白かったようです。

 

光雲寺で採集させて頂いたウメノキゴケ(混じっているマツゲゴケを取り除いて)がちゃんと美しい色に染まることを願っています。

授業のあと、インストラクターさん同士で、今どんな活動をしているのか、支部教室の様子やマルシェでの様子などを語り合いました。公認会計士でもあるNさんからビジネス的なアドバイスもあり、各自将来のことを頭に描きつつお開きとなりました。

 

今年も色々とありがとうございました。

ののはな草木染アカデミーは、来年も新しいことに取り組んで行きます。

来年もどうぞよろしくお願い致します。

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代


ウールの特徴を理解し、ウールの染め方を学ぶ

2018.12.11

カテゴリ:インストラクター養成講座, 草木染教室

インストラクター養成講座11月の2日目は、ウールの染め方を学びます。

ウールは、水分、急激な温度変化、摩擦などによって縮んだり、絡み合ったりして縮絨(フェルト化)してしまいますので、ちょっと他の糸より難しいです。

このウールの特徴をよく理解してから、実際の染の作業に入りました。

また、ウールは70度以上で繊維の奥まで色素や媒染剤が浸透するため、縮絨しないように注意しながら、これまでとは違って火にかけて温度を上げながら媒染作業をしました。

 

染める前「毛糸は丁寧に! 温度差や摩擦に気をつけて扱ってください」と何度も言ったので、みなさんとても慎重に染液の温度を確かめたり、温水で洗う時にも温度差に注意して丁寧に毛糸を扱っていました。

煮出した植物は、メリケンカルカヤ、ビワ、インド茜、ログウッドです。各自選んだ植物で染めていきます。

  びわです

  ログウッドです

  茜です

 

皆さん、とても丁寧に扱ったおかげで、どの毛糸も縮絨することなく、ふんわりと仕上がりました。

 

染めあがった糸は、綛くり器から玉巻器で糸を玉にしていきます。

 

2日間で、麻、綿、毛糸、ウールの4種類、様々な表情に染めあがりました!

この糸を使って編んだり,織ったり、刺繍したり、フェルトに使ったり……また草木染の世界が広がっていきま~す。

 

ののはな草木染アカデミー 松本つぎ代


ビワ、メリケンカルカヤで綿、麻、シルクの「糸染め」

2018.12.10

カテゴリ:インストラクター養成講座, 草木染教室

インストラクター養成講座の11月第1日目の授業は、麻、木綿、シルクの糸染めを学びます。

 

これまで布を染めることが主だったのですが、今回様々な素材の「糸」を染める手順を学びます。糸を染めることが出来るようになると、織や編み物、刺繍、フェルトなど草木染を活かす作品づくりの幅がさらに広がっていきます。

 

綿、麻、シルク、ウールの糸を染める時は綛(かせ)の状態にして染めていきます。毛糸屋さんで売っているような毛糸玉の状態では染められません。

綛状にした綿、麻の糸は、前もって下地処理をしておきます。シルクの糸は下地処理なしで、またウールの糸(原毛も一緒に染めます)は特別な媒染処理が必要です。

コーンに巻かれた糸を綛(かせ)くり器で綛にする練習をしたり、綛車から外した時、又染める時に糸がばらばらにならないように一つにまとめている「ひびろ」(聞きなれない言葉ですが)の大切さをお伝えしました。

綛の状態の糸を扱うのは初めての方が多く、「こんな器械初めて!」「きれいに巻けるんですね」とこの作業とても新鮮だったようです。

 

使う植物は、ビワの枝葉、秋に原っぱに広がっているメリケンカルカヤです。

まずは、麻糸を1色で染めます。

下地処理を済ませた麻糸を、秋に収穫し乾燥させて保存してあったメリケンカルカヤで染めます。

地味な目立たない草ですが、とっても鮮やかな色を出してくれるので、アカデミーでは重宝しています。苅安と同じような黄色に染まります。今回はグレイッシュな麻糸に染めたので、少し渋いオリーブグリーン色に染まりました。

 

 

次に木綿の糸をビワで染めていきます。

ビワの枝葉をみんなできざみ、煮出して、きれいな色を頂きました。

元の白地、防染してビワのミョウバンの色、鉄媒染の色と3色で染め分けます。

皆さんそれぞれに防染するところを替えていたので、オリジナルな糸が完成しました。

 

シルクは、様々な色を組み合わせて染めてみましょう。

だんだん綛の状態の糸に慣れてきたようですね。シルクをぼかし調に染めていきます。ビワとメリケンカルカヤの鉄媒染の色もきれいですね。

 

このブログの一番最初の写真は、各自が染めたシルクの糸です。思い思いの色の組み合わせで優しい色の糸が染め上がりました。

 

第2日目は、一番難しいウールの糸と原毛の染をします。お楽しみに~。

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代


アカメガシワで染め、着抜技法をしたバッグが完成~9月20日の続き

2018.12.09

カテゴリ:インストラクター養成講座, 草木染教室

ののはな草木染アカデミー4期生の9月に染めた布が、バッグに仕上がりました。

かなり前に仕上がっていたのですが、ブログ掲載が遅くなりました。どうぞご覧ください。

(写真の色が、別々の日に撮ったため変わっています。ごめんなさい。)

 

Kさんは、細かい模様をぎっしり一筆一筆スズとチタン着抜液で描いています。かなり集中しないとこれだけ細かく布に書けません。すご~い!

11月から教室に来る時のレッスンバッグにされています。

 

丁寧な計画と仕事で、ウズラのバッグを作ったSさん。渦(うず)と「ら」でうずら。ユーモラスで楽しいバッグになりました。

持ち手の色を変えたり、表面と裏面の色の切り替えなど細かなところまで計算されて染色しています!

 

アカメガシワで真っ黒に染めて大小の丸をリズミカルに散りばめたSさん。

裏面の程よい抜け感がいいですね。丸の大きさやスズとチタン着抜の色の配置がバランスが取れています。

 

ご家族の回復を願ってラッコの図案を考えられたNさん。回復まであと少しだそうです。良かったですね!

模様に合わせて表と裏面の切り替え位置が、変えてあるところもおしゃれです。

 

着抜液をつけた筆で布に模様を一定の線の太さで描いていくのは、「むつかし~い」と言っていたMさん。

「これからも練習を重ねてもっときれいな線を書きたいです」と今回残念がっていましたが、バッグに仕上がってくると、「それなりにいいなあ!」と満足の笑顔に。それは良かったですね。

 

通信部のIさんの作品です。棉(わた)をご自身で育てたり植物が大好きだそうで、お花や枝、葉っぱなどをモチーフにされています。通学部とは違って、ご自宅で染められたので、地色はセイタカアワダチソウの鉄媒染となっています。

通信部の方達用に配信している動画を「見ながら制作されるのは、どんな感じですか」とスクーリングに来られた時に伺うと「手順がとても分かりやすいです」とおしゃってくれました。ちょっと心配していたので、動画だけを見てよくここまで作品を作ってくれたなと嬉しくなりました。

 

 

もう一人の通信部のYさんの作品です。これまでとは全く違った色調で、蘇芳を淡い色で染められて鉄媒染をされています。

優しい色合いとシンプルな模様の繰り返しが、かえって新鮮です!

 

 

通学部のYさんの作品です。お仕事がお忙しい中、教室でアカメガシワで染めた後、着抜はご自宅でされました。きれいに着抜されていますね! ぼかし染めがバッグに表情を与えて素敵です。

 

次回は、随分遅れてしまいましたが11月の講義「糸の染め方を学ぶ」について書きます。

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代


秋の遠足 奈良 五條市に行ってきました

2018.10.29

カテゴリ:草木染教室

2週間ほど前のことになりますが、アカデミーの生徒さんたちと毎年恒例の秋の遠足に行ってきました。

今年の行き先は奈良県の五條市。

朝、JR奈良駅と近鉄奈良駅に集合し、貸切バスに乗り込みました。

 

 

一時間半ほどで五條市に到着し、まずは地元のガイドさんに街を案内していただきました。

初めに案内していただいたのは、五條代官所跡。五條は明治維新発祥の地とされていて、明治維新のさきがけとなったとされる天誅組関連の資料が展示されていました。

私は歴史に詳しくないので天誅組という言葉も初めて聞いたのですが、遠足の何日か前の大河ドラマ「西郷どん」でもちょうど天誅組のことが少し出てきてたそうです。

 

その後は近くを流れる吉野川と、江戸時代初期からの街並みが残る新町通りへ。

約900mあるという新町通り沿いには江戸時代から昭和にかけて400年に渡って築かれた町並が残り、各時代の生活の様子がうかがえます。

 

新町通りでは今も多くの方が生活されているのですが、昔の建物や雰囲気を大切に守られていて一気に昔へタイムスリップしたような感覚になりました。

 

街を散策しお腹が空いてきたところでランチの時間です。

ランチは新町通りにある「源兵衛」さんへ。築約250年の立派な古民家をリノベーションした素敵なお店です。

源兵衛さんのお料理は、奈良県産の新鮮で貴重な野菜にこだわった和食料理。シェフの食材へのこだわりがとにかくスゴイんです!お店は貸切にしていただき、みんなの前で食材ひとつひとつ丁寧にそして熱く(笑)こだわりを語ってくださいました。

↑これはお酒の説明中。ほとんど出回らない希少なお酒も多々あるのだとか。

この日のお料理に使われていたお野菜たち。初めて見る珍しいお野菜もいろいろありました。

私たちは草木染教室の一行だということで、この日のお料理のテーマは「大地の恵み」とのこと。

 

一番初めは4種類のぶどうからスタート!食べ比べると、それぞれの品種の味や香りの違いがよく分かりました。

続いては皮ごと食べられるという小芋。お出汁で炊いた後に焼いてあります。土づくりまでこだわった信頼できる農家さんから仕入れるからこそ、皮付きで食べられるそうです。

これはその日の朝採れたてを時間をかけて塩茹でした落花生。写真では地味ですが、めちゃくちゃ美味しかったです!一粒が親指ぐらいの大きさがあり、濃厚な落花生の味としっとりとした舌触りが絶品でした。いわゆるピーナッツのイメージを覆す味です。

 

 

その後も珍しい野菜を使った天ぷらや煮物などの小鉢、お餅の入ったお吸い物などが出てきて、お腹いっぱいに。卵やお肉お魚を一切使わず、この日のメニューではお野菜だけで50種類以上の食材を使っているそうです。

素材それぞれの味を活かした繊細な味付けで、まさに「大地の恵み」を堪能させていただきました。

最後はお店の前でシェフと記念撮影。ごちそうさまでした。

 

お腹を満たした後は、染めに関するお勉強を。

五條市で日本茜の栽培に取り組まれているNPO法人大和社中さんを訪ねました。

新町通りの端にある大きなお屋敷のお庭を使って日本茜の栽培をされています。

 

まずは大和社中の山口さんに、どんな活動をされているのかや、日本茜を栽培する方法などのお話を聞かせていただきました。

 

栽培した日本茜で染めたシルクスカーフも見せていただきました。根っこの状態や染め方によって深みのある赤や朱色など染まる色も変わるようです。染めに使うには3年物の茜の根っこが適しているそうで、種を撒いてから染められるまで3年の月日をかけてこの色が生まれるんですね。

お話を伺った後は実際に栽培している畑を見学させていただきました。

 

お屋敷の外をぐるっと回っていくと、奥のお庭に畑が。

 

日本茜はちょうど小さな花が咲き種ができ始めているところでした。

初めて実物の日本茜を見た生徒さんたちも多く、いろいろ質問されていたようです。

日本茜はアカデミー近くの野山でも生えているのですが、染められるだけの量の根っこを確保することはなかなかできませんでした。でもこれから栽培を始めてぜひアカデミーでも日本茜で染めていきたいと思っています!

 

最後はまほろばキッチンという大きな道の駅に立ち寄って、地元産のお野菜や柿の葉寿司などのお土産をたくさん買って帰りました。

今年も楽しく充実した遠足となりました。

 

 

ののはな草木染アカデミー 講師

松本陽菜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


多色の斜めぼかしの草木染めを学ぶ

2018.10.28

カテゴリ:インストラクター養成講座, 草木染教室

10月のインストラクター養成講座2日目の授業です。

大判のシルクに斜めぼかしを草木染めで染めていきます。

色鉛筆を使って、植物の色を思い浮かべ、どの様な色で斜めぼかしをするかを考えます。

その時、植物の色が重なったらどの様な色になるかも試していきます。

今日染める植物は、メリケンカルカヤ、キバナコスモス、藍、コチニールです。

ミョウバン媒染で染まる色をメインに、色の組み合わせや重なりをイメージしてデザインを考えます。白く残す部分や染める巾など、イメージすることは山ほどあって、先を見通してデザインすることの難しさに、みなさん一寸混乱されていましたが…

 

 

布を折りたたみ、白く残したいところを防染し、

 

イメージした色で染めていきます。

 

染液がはねないように気をつけながら、次の色を染めていくと、

 

片側からの斜めぼかしが完成しました。

 

もう片方からも染め重ねると、こんなに美しい何色もの色が染まりました。

 

部分的に鉄媒染を加えると、さらに色の変化が出てきます。

 

風にそよぐシルクの布、美しいですね~。

 

それぞれに好きな色の組み合わせで染めた多色による草木染、とてもみなさんに喜んでもらえました~。

 

秋が深まってくる11月は、シルク、麻、木綿、ウールなどの糸と原毛を染めていきます。

11月も、おたのしみに~。

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代


キバナコスモスで花火模様のブラウス&多色の草木染めストール

2018.10.28

カテゴリ:インストラクター養成講座, 草木染教室

ののはな草木染アカデミー上級コースの1日目は、「服の染め方と花火模様の絞り染めを学ぶ」、2日目は「板締め絞りの重ね染めを学ぶ」と「多色の斜めぼかし染めを学ぶ」です。

これまで初級/中級コースで学んできた草木染の基礎的な技法や染め方、デザインの仕方などを応用して、上級コースではさらに技法や色の組み合わせ方で、各自がオリジナルなものを創作できる方法を学んでいきます。

1日目は、綿のブラウスを工房の庭で摘んだキバナコスモスで、花火のような模様に染めました。

 

ブラウスに、花火模様を入れたいところに印をつけて

 

折りたたんで、洗濯ばさみで止めます。

 

キバナコスモスの染液で染め、洗濯ばさみを少し動かしてから鉄媒染をすると

 

花火模様が出てきます。

ブラウスに、大きい花火やちいさなお花の様な模様が染まり、みなさんにっこりです。

 

2日目は、ストールに多色染です。

草木染の色が重なって様々な色の表現ができること、草木染は渋い色と思われがちですが、こんなにも鮮やかな色も染められるという事に生徒さん達もとても驚き、そして喜んでいました!

草木の色の美しさが際立ってきて、教えている私達にもとても楽しみな授業です。

 

1日目に、シルクコットンのストールに各自好きな板を使ってユーカリで板締め絞りを施し、鉄媒染で染めてあります。

色鉛筆を使って、それぞれのイメージで色の組み合わせを考えて行きます。

 

今回使う植物は、藍、コチニール、メリケンカルカヤ、キバナコスモス。

藍とコチニールの組み合わせ

 

メリケンカルカヤと藍の組み合わせ。

 

メリケンカルカヤ、藍、コチニールの組み合わせ。

 

コチニールと藍の組み合わせ。

 

メリケンカルカヤとコチニールの組み合わせ。

 

通信部の人を含めて全員が、各自考えた色合わせで、オンリーワンの楽しい素敵なシルクコットンの大判ストールが染め上がりました!

乾かしてからすぐに首に巻いて帰られた方もいました。

次は、多色で斜めぼかしのシルク大判ストールを制作します。おたのしみに~。

 

ののはな草木染アカデミー代表 松本つぎ代


デンマーク旅行記 Part 3 ~忘れられない出会い~

2018.10.11

カテゴリ:未分類

Part 2で書いたTvested Skoleでの展示会で、私の作品を買ってくださったBirgitte(ビアギッテ←正しいデンマーク語の発音とちょっと違うかもしれません)さん。彼女との出会いは、このデンマークの旅で私にとって忘れられないものとなりました。

Birgitteさんは展示会の初日に来られて、黄緑色のベースに板締め絞りで水色のドット模様に染めたストールをお買い上げくださいました。メリケンカルカヤの黄色に藍の乾燥葉のブルーを重ねて染めています。

日本ではこの色合いは身に着けにくいと思われることもあるのですが、デンマーク人は綺麗なブルーの瞳の方が多く、Birgitteさんもブルーの瞳だったのでこのストールがとてもお似合いでした。

ストールをお買い上げいただいた時点では何も知らなかったのですが、Birgitteさんもテキスタイルのアーティストで、旅の後半でアトリエを訪問見学させていただくアーティストのうちのお一人だったのです。

 

土日の展示を終えた翌日の月曜日、4軒のクラフトアーティストのアトリエを訪問することになっていて、Birgitteさんのアトリエにも訪問させていただきました。

アトリエに入るとすぐに作品が飾られていて、色合わせや模様がどれもめちゃくちゃ好み!!一緒に行った日本の作家のみなさんからも「素敵~!」と一斉に声が上がってました。

Birgitteさんの作品はシルクスクリーンによるハンドプリントで、オリジナルデザインの版を使ってざっくりとした風合いの麻生地に染められています。

ハンドプリントならではのちょっとした模様のズレやかすれ具合、そして色のチョイスと組み合わせが絶妙に素敵なのです!

トイレやリビングなど部屋のあちこちにも作品の布が使われていて、インテリア雑誌の中の世界みたい。

アトリエの隣の建物はショールームになっていて、そこに展示されていたアンティークの椅子がこれまたとっても素敵でした。

クラシックなデザインのアンティークの椅子にBirgitteさんの北欧モダンな布を組み合わせるという感性がすごくいいなと思いました。デンマークの人は家でも家具でも古いものを修理しながら大切に長く使う文化が当たり前だそうで、こうして古い椅子も布を張り替えて使う人が多いのだそうです。素敵な文化ですよね。

 

Birgitteさんは若いときからデンマークの伝統衣装に使われる布のプリントの仕事もされているそうで、「シルクスクリーンの技法ができる前は木の型を自分で彫ってプリントしていたのよ」と古い木型や図案も見せてくれました。

「伝統的な図案の仕事は収入的に安定していたけど、色もデザインも自由にできる自分の作品づくりの方が楽しい」と笑いながらおっしゃった姿が印象的でした。

 

 

いろいろな作品の中に、買ってくださったストールと全く同じカラーリングのドット模様のクッションを見つけてびっくり!!

遠く離れた国の親以上に年の離れた人なのに(なんと70歳を超えていらっしゃるそう!)、色彩感覚やドット模様が好きというところなどにすごく共通する部分を感じて、一気に距離が近くなったように感じました。

Birgitteさんは早速ストールを巻いてくれていて、私も彼女が染めた布を購入させていただきました。

その日私が巻いていたストールにも「それはどうやって染めてるの?」と興味を持ってくれて、「鉄と錫とチタン媒染を使って色を変えて、ユーカリだけでこの4色を染めてる」と必死に説明したけどちゃんと伝わったかな…(汗)日本語、英語、デンマーク語ばっちりのネルスさんでも、複雑な作業手順や媒染剤のことを訳すのは至難の業だったかも…。

 

言葉では十分にコミュニケーションが取れなかったかもしれないけど、お互いのものづくりを通して刺激を受けたりリスペクトの気持ちを共有することができて、それが何よりも嬉しかったです。

ものづくりがコミュニケーションツールとなって、違う国の年の離れた人とでも心を通わせることができる、それを実感する出会いでした。

Birgitteさん、ありがとうございます!!

 

松本陽菜

→デンマーク旅行記 Part 2

→デンマーク旅行記 Part 1

 

 

 

 

 

 


デンマーク旅行記 Part 2 ~二日間の展示会~

2018.10.04

カテゴリ:未分類

デンマークの旅でのメインイベントは、日本の工芸作家9組合同の展示会「日本の手工芸 Japanese handcrafts in Tversted」です。

9/8(土)と9/9(日)の二日間、滞在地のTversted Skoleの敷地内にあるギャラリーで開催しました。

 

ギャラリーはもともと幼稚園だったそうですが、中央のガラス張りのところから空が見えて開放的な空間です。

 

今回私が展示したのは、ずっと定番で作り続けている板締め絞りで染めたベビーウールのストールです。

色違い、柄違いで10枚出品しました。

上の写真のストールは左から、藍&ログウッド、茜&キバナコスモス、藍&メリケンカルカヤ、茜&メリケンカルカヤ、茜&キバナコスモス、でそれぞれ染めています。

そして「この植物からこんな色が染まる」ということを見てもらえたらと思い、8色のシルクモヘアの糸も色の見本として展示しました。

左から、桜、ウメノキゴケ、タデ藍、フェンネル、セイタカアワダチソウ、どんぐり、月桂樹、ユーカリ、です。

 

今回初めてご一緒した作家のみなさんは、本当に素晴らしいものづくりをされている方ばかり。直接ものづくりへの想いや、緻密な作業の工程、素材を扱う難しさ、素材をどこから調達しているのかなど、いろいろなお話を聞くことができて、とても刺激的で興味深かったです。

こちらは鹿革と鹿の角で作られた名刺入れ。加藤キナさんご夫妻の作品です。

鹿革を小さな絞りで丸い模様に染めてあり、中央の菊のモチーフは鹿の角から作られています。菊の花びらの立体感、超絶技巧です!形に仕上げるのもすべて手縫いで、非常に難しい技術だそうです。

角を彫るところを実演されていたのですが、ルーペを使わないと見えないほど細かくものすごく緻密な作業。

この革のブルーは藍染だそうです。藍の他にも茜やヤシャブシも革や角を染めるのに使うことがあるそうで、草木染と近い部分もあってお話が非常に興味深かったです。

 

こちらは竹村聡子さんの磁器の作品。

器の他に磁器でできた動物のマリオネットの作品もあり、私はそれが特に好きでした。動物たちの手足が動くようになっていて、動くと磁器ならではの繊細な音が鳴るのです。

 

勢司恵美さんの竹籠も美しかったです。

竹を割って編んでいく作業の実演もされました。流れるような手さばきが美しく、現地のお客さんもみんなくぎ付けでした。

 

織の道具などを素敵に展示しているのは、私の大学時代の同級生、和泉綾子さん。RIRI TEXTILEという屋号で活動していて、昔からりりーと呼んでいます。

りりーは織と草木染の染織作家です。埼玉の古くからある藍染工房でリネンの糸を染め、ストールなどを織っています。深い紺色の藍は、何度も何度も藍甕に浸けては酸化させて出している色だそう。染め重ねた本藍の色は深くて美しいですね。

 

パールや天然石を使ったジュエリーは長野麻紀子さん。

上の写真の中央にある小鳥のリング、めちゃくちゃ素敵で見とれてしまいました。

 

展示会のポスターのいちばん大きな写真に使われていたのが、狩野綾子さんのこぎん刺しです。

刺繍ですべて模様を入れていることは知っていたけれど、実際に作品を目の当たりにするとやはり存在感があります。一針一針刺したその積み重ね。

 

こちらはキャンドルクラフトの鈴木有紀子さんの作品。私の写真があまりうまくないのですが、緑の木のキャンドルは火を灯すとだんだん内側のロウが溶けて、木の上に三日月と雪が降る模様が透けて見えるようになります。

ろうそくを灯す時間を楽しむ作品。贅沢な時間の過ごし方、なかなかできないけど憧れますよね。

デンマークの人は家でテーブルや窓際などにキャンドルを灯すのが日常の文化だそうですが、デンマークでも鈴木さんの作品のような繊細に作られたキャンドルは珍しいようで、多くの方が興味を持たれていました。やはり富士山のキャンドルは日本らしくて人気がありました。

 

テキスタイルファイバーアートの舞良雅子さんの作品は、素材の活かし方がとても勉強になりました。

シルクやウールといった繊維素材が持つそれぞれの特徴や面白さを、織や縮絨、ミシンワークなどあらゆる手法で作品にされていて、素材の表情の変化や色味など細部まで見れば見るほど面白かったです

舞良さんは展示会の二日間で、手だけで糸を編む、というインスタレーションもされました。ハリのあるシルク糸を、壁から道具を使わず自分の手だけを使って編んでいきます。

最後には長さ6mぐらいになり、川の流れのハンモックのような大作となりました。

 

こんなみなさんと一緒に展示をすることができて、とても刺激を受けました。また逆に私自身のものづくりにもすごく興味を持ってもらえて、自分では特別に思っていなかったことが面白いと感心されることだったりして、発見も多くありました。

 

そして展示会の二日間は、予想以上に多くのお客さんが見に来てくださいました。

ギャラリーの周りには広大な農地や牧草地が広がっていてあまり人とすれ違うこともないのに、どこにこんなに人がいたんだろう!?という感じです。

 

デンマークでは草木染がどのくらい知られているのかまったく知識がなく、現地の方たちには草木染はどんな風に見えるんだろうか、日本での反応とくらべてどうなんだろう、と思っていました。

始まってみると多くの方が、まず「色がとても美しい」と言ってくれました。中でも特に藍の乾燥葉で染めた水色とウメノキゴケの赤紫色やピンク色に人気があり、のストールや糸を指さして「私はこの色が好き」「この色は素晴らしい」と。

「草木が秘めている色の美しさを多くの人に知ってもらいたい」その想いで日本でも活動していますが、遠く離れたデンマークでも色の美しさを感じてもらうことができて、それがとても嬉しかったです。

 

この展示会では、販売目的というよりは日本の手工芸を見て知っていただきましょう、ということだったのですが、当初の予想に反して多くの作家の作品をお買い上げいただきました。

私のストールもお買い上げいただき、そのうちのお一人の方との出会いが私にとって忘れられない大切なものとなりました。そのお話はまたPart 3で書きたいと思います。

 

松本陽菜

→デンマーク旅行記 Part 1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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